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2010 年あけましておめでとうございます♪
2010年01月01日(金)

2010年 あけましておめでとうございます♪

2009年は、思いもかけなかった辻裕久の体調不良などもあり、今まで以上に一日一日を丁寧に大切に生きなければならない齢になったことを実感すると共に、多くの方の暖かいお心やお励ましに触れた一年でした。お世話になりました皆様、支えて頂きました方すべてに、心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

2009年はヘンデル没後250年の記念の年で、創設以来実行委員を務めておりますHandel Festival Japanでもさまざまな催しが行なわれました。ヘンデルのお誕生日パーティー、埋葬された日に合わせての「メサイア」、チェコのチェスキー・クルムロフからバロック・ジェスチャーの専門家を招聘してのコンサート、そして、アニバーサリー企画の最後を飾る大プロジェクト「クリストファー・ホグウッド招聘公演」が2010年2月13日に控えております。また、HFJ主催公演以外にも、さまざまな「メサイア」で歌わせて頂きました。ありがとうございました。

オペラにも2本出演させて頂きました。8月に熊本で行なわれたモーツァルト「フィガロの結婚」バジリオ役では、普段カットされるバジリオのアリアもすべて歌わせて頂きました。関わるすべてのスタッフが全力で作り上げるプロジェクトの一員に加えて頂けたことを、ありがたく、誇りに思っております。10月には中西覚の新作オペラ「淀屋橋の上で」で主役の吾妻雅輝役を歌わせて頂きました。久しぶりの現代劇で、新聞評でも高く評価して頂きました。関西弁と標準語のかけあいなど、ことばの面白さを存分に感じられる非常に効果的な作品でした。最後に吾妻が長いアリアを歌って死ぬ場面でお客様が号泣して下さいましたので、お役目を果たせたと安堵いたしました。

『英国歌曲展』は第13回を迎え、2009年は仙台と東京で公演を行ないました。《いざ花冠を捧げよう》というサブタイトルで、第1次、第2次大戦に翻弄された作曲家、詩人達、その経験から平和を強く訴えた作曲家達の作品をとりあげました。半年以上前から2人のスケジュールをやりくりして直前に一週間のロンドン合宿を敢行し、イギリスの空気をたっぷりと呼吸してきました。

CD『日本歌曲 第4集』がリリースされました。辻・なかにしの演奏曲目は中西覚作曲「まどみちをの詩による歌曲集」「二つの風の歌」「昆虫になった少年」などで、奇跡の一発OKなどミラクルな演奏を連発しております。作品もユーモラスな小品から壮大な絵巻物のような大曲までバラエティーに富んでおります。ぜひお聴き頂けましたら幸いです。

なかにしは最近混声合唱にご縁が深く、8月に初演された無伴奏混声合唱曲「原体剣舞連」(宮沢賢治詩・合唱団エピス委嘱)、10月に初演された混声合唱組曲「風の吐息」(橋爪文詩・氷上パストラール委嘱)、また、旧作「風の旅より」を改訂した無伴奏混声合唱組曲「思い出の向う側」(星野富弘詩)は11月にカワイ出版より楽譜が、2010年2月にはALMRecordsよりCDが発売されます。女声合唱では、2月に無伴奏女声合唱組曲「おおきな木」(島田陽子詩)をカワイ出版から出して頂いた他、既存の出版社で扱われにくい小品をSound International Japanから出版した「うたが生まれる」(なかにしあかね詩・多摩リヴィエール委嘱)が、おかげさまで発売から8ヶ月ですでに第3版を重ねております。合唱以外の作品では、ピアノ独奏のための「グリーンスリーヴスの主題による変奏曲」(希代智子委嘱)が3月に抜粋初演され、2010年のISCM世界音楽の日々シドニー大会に、日本作曲家協議会からの推薦曲として送られております。大切な委嘱新作をなかにしに託して下さいましたこと、心より感謝申し上げます。

2010年は、新しくリリースされますCD「今日もひとつ」の発売記念コンサート(1/11)から始まります。女声合唱組曲「今日もひとつ」、歌曲集「木のように」、「ひとつの花が咲くように」、無伴奏混声合唱組曲「思い出の向う側」などを収録した、星野富弘&なかにしあかね作品集で、どれも心をとらえて離さない熱演、名演揃いです。

2月13日にはヘンデル・フェスティバル・ジャパンの「ホグウッド招聘公演」で、辻裕久はアリア十数曲という大役を仰せつかっております。ホグウッドとの共演は本当に楽しみです。

3月26日には3年前に創設し、主宰しているヴォーカル・アンサンブルThe Songstersの第2回公演がございます。イギリスの宗教曲をアンサンブルで美しく奏でると同時に、世俗曲やオペラアリアなども次々とソリストを繰り出して演奏できるところがこのアンサンブルの強みであり特徴であります。

4月22日には辻兄弟姉妹で毎年行なっておりますHappy Birthday Fantasyの第3回で、今年は次男辻志朗の50歳のお誕生日を記念いたします。辻裕久は、第1回で好評を博しました「音楽狂言 春」の再演と、同じく「音楽狂言 秋」の二本立てで出演致します。長男辻秀幸との丁々発止のやり取りをどうぞお楽しみに。

7月4日には隔年開催のなかにしあかね作品展第5回でございます。素晴らしいピアニスト中川賢一氏と田村緑氏、辻秀幸&辻裕久兄弟、そして仙台から合唱団エピスの皆様をお迎えして「原体剣舞連」のシアターピース形式上演をお願いする予定です。王子ホールが大変なことに・・・ご期待下さい。

英国歌曲展は第14回を迎えます。汲んでも汲んでも尽きない英国歌曲の泉によろこび勇んで飛び込み、辻裕久渾身のプログラムを着々と準備中です。9月18日銀座・王子ホールへぜひどうぞ。

その他、The Songsters Galaxy Concert シリーズの「リュートソング」の会、日本歌曲をうたうシリーズなど、次々と企画を打ち出して参ります。楽譜は2月に女声合唱組曲「悲しみの意味」(星野富弘詩 カワイ出版)、ピアノ連弾「ピアノのためのⅢ章」(マザーアース出版)、ピアノ連弾曲「Happy Birthday Fantasy」(カワイ出版)などが出版予定のほか、Sound International Japan発行の楽譜も増やしていく予定です。また、私共の企画ではないコンサートへのゲスト出演、リサイタルなども多数予定されております。随時当HPでお知らせして参ります。

以前にもまして、ひとつひとつのコンサート、作品、プロジェクトを、丁寧に、大切に、ベストを尽くして行きたい、と強く願ってとおります。私達の音楽が、少しでもお聴きくださる方の心に寄り添うことができましたら幸いです。

このHPを訪れて下さいました皆様に、2010年楽しいことがたくさんたくさんありますように♪

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

辻 裕久  なかにしあかね